上海(いちご12歳10ヶ月・みるく10歳11ヶ月)

朝目を覚ますと空が朝焼けに美しく染まっていた。
みるくが窓の外を見て「海の色が変わった!茶色くなった!」と驚きの声をあげた。
長江(揚子江)に入ったようだ。
デッキに出て外を眺める。
海にしか見えない広さだ。
東方明珠塔の対岸にある国際フェリーターミナルに停泊すると思っていたが下船したのはバオシャン・ターミナル。
個人で下船する場合かなり待たされるので、観光ツアーに出かける団体さんの後ろにまぎれこみ入国管理審査へ。
なにしろ今日は時間がない。
地下鉄で南へ12駅進み、そこからタクシーで移動してまずは豫園へ。
中国に上陸した瞬間からにおいに敏感なみるくは「くさい」と嫌な顔をしていたのだが、地下鉄でずっと数独をして酔ったらしく気持ち悪さが倍増。
バカすぎる。
そして豫園に着いてすぐに「気持ち悪い。吐きそう。」とダウン。
母は以前にも豫園にきたことがあるということで、日陰に横たわるみるくを母にまかせいちごと駆け足でひとまわり。
広く素晴らしいお庭ではあるが、楽しむ余裕はあまりなかった。
ようやくスポーツドリンクを見つけたのでみるくに飲ませつつ観光隧道(かんこうすいどう)へ向かう。
観光隧道は南京東路と浦東東方明珠塔の間を結ぶ、全長646.7mの河底トンネル。
黄浦江をくぐるこのトンネルを15人乗りのゴンドラで進む。
(15人乗りといってもガラガラだったので貸し切り状態)
片道約5分間、トンネル内はさまざまな色合いのイルミネーションに包まれる。
「ディズニーランドの乗り物みたいだね」と喜ぶいちご。
スポーツドリンクを飲んで復活したみるくも楽しそうだ。
浦東側に渡ると、雷が鳴りはじめた。
いそいで東方明珠塔(TVタワー)にのぼる。
雨は降り出したが、水にけむる前に外を眺めることができた。
東方明珠塔のあとで南京東路へ行こうと思っていたのだが時間がなくなってきたので断念して船に戻ることにする。
再度観光隧道を通り外灘側へ戻り、タクシーで移動中すごい勢いで雨が降り始めた。
地下鉄に乗り換えるつもりだったが、予定を変更してそのままバオシャン・ターミナルまでタクシーで送ってもらう。
高速道路は水はけが悪く冠水に近い状態。
このまま道が閉鎖されて通行できなくなったら最終乗船時刻に間に合わなくなってしまうという緊張の中、車があげる水しぶきにいちごみるくは大興奮。
私は右側の後部座席に座っていたのだが、雨漏りにびっくり。
窓はしまっているのにすきまから雨がしみ出てくるのだ。
タクシーの中だというのにひそかに傘をさして雨をよける。
川のようになった高速といい、雨漏りタクシーといい、なかなかできない経験だ。
地下鉄で話しかけてくれた日本語が堪能な中国人青年との会話も楽しかった。
彼は独学で日本語を勉強し、東大を目指しているという。
合格を祈る。
小雨になったところで14時過ぎに船へ到着。(本日の最終乗船は15時半)
時間内に無事戻れてよかった。
昼食後、プールと卓球とサッカーゲーム
夕食はコスタクラブのご招待により、母と二人でクラブレストランへ。
いちごみるくはビュッフェで好きなものを食べてマジックショーへ。
「ほとんどネタバレだけど楽しかった」らしい。
私も2部を見に行ってみたが、確かにみるくの言う通りネタ得る前にがわかる古いマジックが多かった。
それでも間近で見るマジックはやはり楽しいものだ。
部屋に戻ると明日のtoday(船内新聞)が届いていた。
就寝前に時計を一時間進めて日本時間に戻す。
明日は済州島だ。