森からの贈り物(いちご10歳0ヶ月・みるく8歳0ヶ月)

学校から帰ってきたみるくが「いいものあるよ」と見せてくれたのはまんまるいどんぐり。
くぬぎだろうか、かしわだろうか。
「校長先生の部屋の前に置いてあったの」
「『森からのおくりもの』って書いてあったよ。一人一個しかとっちゃいけないんだ。」とみるくが言う。
「それでね。まわすとくるくるまわってひっくりかえるんだよ。」と続ける。
テーブルの上でみるくがまわしたどんぐりは確かに回転しながらたちあがりくるくるとまわる。
おもしろいね。
そしてみるくは「はい。ゆでてね。」とどんぐりを私に渡した。
どんぐりを家で保存する場合は中にいるかもしれない虫を煮沸して殺すことにしている。
100円ショップで買った鍋とザルはどんぐり専用だ。
一時間後に帰宅したいちごもやはりどんぐりをひとつ持って帰ってきた。
いちごはゆでるか否か一考。
ゆでるとどんぐりの艶がなくなってしまうからだ。
しばし悩んだ末「やっぱりゆでて」といちごは言う。
よしよし。
虫が出てきたらいやだもんね。
そしていちごは唐突にこう言った。
「Iくんはチョコレートケーキが好きなんだって。だからチョコレートケーキつくりたい。」
Iくんは木曜日に転校してしまういちごのクラスメートだ。
「明後日がお別れ会で明日そのリハーサルだから明日までにつくらなきゃ。」といちごは言う。
一瞬本物のチョコレートケーキをつくるのかと思ったがフェルトマスコットの話だった。
好きなものをプレゼントしてあげるというのはとてもよいアイディアだけれど、今日は時間がないんだよね・・・
下校後すぐに七田へ移動して高速リスニング→レッスン。
帰宅後は急いでお風呂をすませて就寝しなければならない。
帰ってからお裁縫をする時間はないのだ。
「じゃあ明日早く起きてつくる」といちごは言う。
なるほど。
それは良い考えだ。
ぜひ明朝は早起きしてください。