常温のケーキ(いちご21歳5ヶ月・みるく19歳6ヶ月)

金の冠を頭にのせたパパ(酔っぱらい)が帰宅した。
誕生日を祝ってもらったらしく、プレゼントの入った袋も持っている。
良き誕生日を過ごしたようでなにより。
酔ってふらふらしているパパをなんとかベッドで眠るように誘導するもうまくいかない。
困ったものだ。
プレゼント一式はパパがリビングに放置したのだが、その中にホールケーキがあったらしく翌朝キッチンに常温のまま置かれていたので驚いた。
しかも横倒しになっていたらしくケーキの形状をまったくとどめていなかった。
「ケーキの残りを持たされたんだけどなんかぐしゃぐしゃになってた」とパパは言う。
形がくずれていても味はさほど変わらないかもしれないけれど常温に放置したのが一番の問題ですね。
「いやー。箱が大きくて冷蔵庫に入らなかったんだよ。」と酔いがさめたあとのパパは言うが、箱から中身を出してお皿にうつすだけのことである。
もはやケーキの残骸と化したそれを一応食したもののお味はやはりいまひとつであった。
なんだか申し訳ない。
もとはどんなケーキだったのかな。