十人十色(いちご17歳10ヶ月・みるく15歳10ヶ月)

予約していた本が図書館に届いたので借りてきた。
予約件数が多ければ何か月も待つことがあるため、届いた頃には「なぜこの本を予約したのだろうか?」と忘れていることがよくある。
今回借りてきた中にエッセイが一冊あったのだが、やはりいつなぜ予約したのか思い出せない。
著者の名前に聞き覚えすらないのだ。
パラパラと読み始めて最初の数ページでなんてつまらないエッセイなんだろうと驚く。
我慢して少し読み進めるも全くおもしろくない。
予約したからには雑誌か何かでおすすめされていたのだろうけれど、なんでこんなつまらない本を・・・と悩んでいたらいちごがさっと検索してくれた。
嵐にしやがれで又吉が推薦していた本らしいよ。はずれのない本っていうテーマか何かで。」といちごが言う。
ああっ。
思い出した。
その時一緒に小説も紹介されていたのだが、それは以前プレゼントでいただいて持っているものだった。
意欲作ではあるが内容はいまひとつという残念な作品である。
この2冊をすすめる彼の感覚は理解しがたいと首をひねる私にいちごがざっと書評を検索してくれた。
「自分をダメな人間だと思っている人が書くエッセイにひかれる人もいるんだよ。又吉は太宰が大好きだから好みにあうんじゃない?」といちごが言う。
なるほど。
人の好みはそれぞれだからね。
「そもそも又吉のファッションセンスもよくわかんないし」といちごは言う。
たしかに。
エッセイの書評を読むと意外と評判が良いのでざざっと目を通してみたら後半には少し読めるものもあった。
このあたりのエッセイを冒頭に持ってきた方がよかったのではないだろうか。
でもきっと私には理解できなくとも好きな人は好きなのだろう。