やまなし(いちご12歳1ヶ月・みるく10歳1ヶ月)

みるくが久しぶりに裁縫をしたいと準備していた。
みるくが席をはずしている間に作り方を横から読んでいたいちごが
チャコペンがペチャンコに見えた」と笑った。
数分後、戻ってきたみるくが作り方に目を通しながら
チャコペンがペチャコンに見えた」と笑った。
いちごと同じことを言ってると私が笑ったらいちごが
「同じじゃないよ。いちごはペチャンコでみるくはペチャコンって言ったんだよ。」と言う。
姉弟だねえ。
話は変わるが。
いちごが学校の国語で宮沢賢治の「やまなし」を学習中だ。
「ママ、ママはクラムボンってなんだと思う?」といちごが聞く。
それは私にとっても気になり続けている謎のひとつだ。
初めてやまなしを読んだ時は蟹か魚かと思ったのだが、よくわからない。
案外人間のことだったりして?とも思ったがやはり分からない。
そういちごに告げると
「先生も分からないって言ってた。
先生四人で話し合ったけど全員違う答えだったんだって。
だからそれぞれ違う解釈でいいんだって。」
「それとね。ママはこれはなんのことだと思う?」
と、いちごが聞く。
いちごが聞いているのはこの部分。

『青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾のようなものが、いきなり飛込んで来ました。
兄さんの蟹ははっきりとその青いもののさきがコンパスのように黒く尖とがっているのも見ました。』

それは鳥が魚をひゅっとつかまえたところだと思う。
とがっているのはくちばしでしょう。
「いちごもそう思ったの。でも同じ意見の子が意外と少なくてね。
釣り針だと考えた子の方が圧倒的に多かったの。」といちご。
ほう。それは意外だ。
「明日もう一度話し合うことになってる」といちごは言う。
楽しみだね。

追記
いちごから「かわせみだった。うしろの方で文章にでてきた。」と報告があった。
あっててよかったね。