においぶくろ(いちご小3・みるく小1)

みるくが学校から帰るなり縦長にまるめたぼろぼろのティッシュを差し出した。
「においぶくろだよ。みるくがつくったんだよ。」と言う。
鼻におしつけられたのでにおってみたら本当に甘い香りがした。
金木犀だ。
「ママがキンモクセイの香り好きって言ってたから学校で探したら3カ所あったんだよ」とみるくが誇らしげに笑う。
3カ所のうちどこの花びらなのか聞いてみたら「全部」だという。
そして「いいにおいでしょ」と微笑む。
甘くていい香りだね。
ありがとう、みるく。
それから学校で書いた運動会の詩を見せてくれた。
タイトルは「とくてんはっぴょう」
「しろぐみが
 まけた
 ひきわけになると
 おもった
 たまいれで
 まけた
 大だまおくりでも
 まけた」
ぷぷぷ。
思わず笑ってしまったけれどなかなかいい詩である。
テンポがいいね。