いちごの絵の具(いちご17歳10ヶ月・みるく15歳11ヶ月)

昨夜いちごが「9月1日でいいって言ってたのに」と、スマホを見ながらぷんすかしていた。
どうやら文化祭のポスターを持ってきてほしいと言われたようだ。
気の毒に。
頼まれたら断れないいちごは「ポスター届けるだけのために朝一で学校行くなんて。無駄すぎる。」と、ぶつくさ言いつつも学校へ。
「誰もいなかったからロッカーにつっこんできた」とつぶやきつつ帰宅後にのんびり朝食タイム。
パンを食べながらいちごがやや暗い顔で「絵の具が勝手に使われていた」という。
なんですとー。
机の横にかけてあったいちごの絵の具バッグが机の上に広げてあったらしい。
「備品と間違えてるわけはないと思う。名前書いてあるし小学校の時のだし。」
と、考えこむいちご。
「べつにさー。言ってくれれば使っていいよって言ったからいいんだけど。でも勝手に使うのはどうかと思うんだよねー。」とのんびり語るいちごにびっくり。
それは怒ってもいいんじゃない?
「いちごは平和主義者だから。この前もTシャツのことでクラス全体がもめてたから事を荒立てたくない。」
「とりあえずお気に入りの絵の具だけは確保してきた」といちごが言う。
それなら全部持って帰ってきたらよかったのでは?
絵の具は確実に減るよ?
何色も買ったらけっこうなお値段になるよ?
「散らばってたから全部そろってるかどうかわかんなかったし、誰がどこに持っていってるかわかんないし。」
「ちゃんときれいに片付けておいてくれればまあいいけど、何かなくなってたり汚くなってたりしたらさすがに怒れるかなー。」といちごは言う。
勝手に使われた時点で怒っていいと私は思うけれど、いちごは大人だのう。
すごいな、君。