いちごのリュック選び(いちご中3・みるく中1)

いちごとみるくは毎日驚くほど重い鞄をかついで登校していく。
試しに持たせてもらったことがあるが、あの重量を持って片道20分を週5で往復しているというのはすごいと思う。
かなりの負荷がかかっているので当然鞄は傷んでゆく。
いちごの鞄はすれて穴があきかけているのだが「どうせ高校に行ったら新しいの買わなきゃいけないし、あとちょっとだしもったいないからこのままでいいよ」といちごは言う。
いや。言っていたのだが。
つい先日、とうとう「リュックが欲しい」と言い出した。
いちごの中学はリュックで登校している生徒も多い。
雨の日に両手があくのは便利なので中1の時にリュックを勧めてみたのだが、物欲のあまりないいちごは「鞄があるからそれでいい」と頑なに拒み続けていたのだ。
いちごは基本的に「みんなが持ってるからこれが欲しい」という類のことをほとんど口にしない。
みんなが持っていても必要がなければいらないというタイプだ。
周りに流されない自分を持っている彼女を私は我が娘ながら尊敬している。
そんないちごが珍しく言い出したことなので、すぐにOKを出した。
「いちごが持ってるのは、小学校の時に買ったシナモンのと、塾に持って行ってる登山用みたいなのだからみんなが持っているような普通のリュックがいい」といちごは言う。
いちごが考える「普通のリュック」とやらの定義を聞いてみたところ「こーゆー縦二本線のマークが入ってるリュックで登山みたいなのじゃないの」とのこと。
ああ。ピッケルホルダーね。
ブタの鼻みたいなマークでしょ?
「そうそれ!」といちご。
「普通のリュック」のいちご基準がそこにあるというのがよく分からないけれど、彼女の頭の中には明確なイメージがあるようなので好きなリュックを選んでもらう。
店頭で好みのリュックが見つからなかったいちごは楽天市場で検索。
いちごが「これがいいな」と見せにきたリュックは私の想定した予算を大幅に超えていた。
もう少し手頃な価格のものを探すよういちごに伝えたところ、しばらく検索を続けた後にいちごは困り顔で戻ってきた。
予算内では欲しいリュックがないと言う。
結局「お年玉から自分で払うからこれがいい」と最初に選んだリュックをお買いあげ。
いいリュックが見つかってよかったね。
大事にしましょう。