貯金箱(いちご14歳0ヶ月みるく12歳1ヶ月)

久しぶりにお小遣いをもらったみるくがうれしそうに言う。
「ママ、貯金箱ある?」
郵便局でもらったポスト型の貯金箱があったけど、この前捨てちゃったなあ・・・。
ジャムの空き瓶でかわいいのがあるからあげるよ。
「お。いいね。フタがチェック柄でかわいい。」
でしょう?
裏側の原材料シールをはがそうとしながら「いちごー、手伝ってよー。こういうの得意でしょ?」とみるくが言う。
はがさなくても上に貼ればいいんじゃない?と私が言うと「あ、そうか」と手をとめるみるく。
そして画用紙を持ってきてラベルをつくりはじめた。
手書きで長方形を描いてだいたいの大きさで切り取るみるく。
せっかくつくるなら定規を使ってきれいな四角にしたら?
横で見ていたいちごが見かねたのか「やってあげるよ」とみるくからハサミを受け取った。
いちごはもともと貼ってあったラベルのサイズを定規ではかり、きっちり同じ大きさのラベルを作成。
しかも二枚つくって「一枚は予備だから。うっかりまちがえても大丈夫だから。」と言う完璧な仕事ぶりだ。
そのラベルにみるくが『貯金』とマジックで書き込む。
「ちょきんのちょってどう書くんだったっけ・・・」とつぶやいていたので驚いたが、思い出せたようなのでよかった。
漢字の学習は大事なんだよ。
元のラベルの上に『貯金』ラベルを貼って完成。
「おお。ぴったり(同じサイズ)だ。」と思わず感心するみるく。
さすがにいちごの仕事は丁寧だ。
できあがった貯金箱の中に500円玉を入れたみるくは「ためたら何買おうかな」とわくわく顔。
以前二千万円ためて水陸両用車を買うって言ってなかった?
「ああ。あれね。空陸両用車だよ。」とみるく。
そうだったっけ。
みるくがビンをふると中の500円玉がきれいな音をたてる。
いい音だねと伝えると「うん」とにっこり笑うみるく。
「目標2万!何年かかるかな・・・とりあず五千にする!・・・10か月か・・・」とぶつぶつつぶやくみるく。
何に使うのか楽しみだ。