バラナシ→サルナート→バラナシ

旅行記なので長いです。興味がない方は適当に読みとばして下さい。>

4:40バラナシ着予定だったので、支度をして待つもアルンさんがなかなか現れない。
列車が遅れているのだろうとのんびり構えていたが、外が真っ暗なので駅が近いかどうかも分からない。
40分が経過し、もしもアルンさんが寝過ごしていたらどうしようと若干不安になりかけたころ
「おはようございまーす」とアルンさん登場。
ほどなくバラナシに到着。
まだけっこうなスピードで走っている列車のドアを早々に開け、速度が落ちてきたとはいえまだ動いている列車からおりる人々。
インドだ。
線路にはネズミがたくさん。
しかも大きい。
「ネズミはガネーシャ(象神)の乗り物ですから、退治しないのです」とアルンさんが教えてくれた。
ネズミを駆除しないのか・・・。
インドだ。
バラナシの駅からホテルまでは車で10分ほどだった。
チェックインできるのはお昼過ぎになるが、とりあえず別の部屋を使わせてくれるという。
今日の出発は約4時間後の10時。
朝食をとり、シャワーをあび、着替えて、洗濯して、休憩。
排水にはやや難あり。
部屋もなんだかいまひとつだなーと思っていたのだが、チェックイン後に入った部屋はまともだった。
排水はここでもやはり難ありであったが。

余談だがホテルについて。
今回HISのツアーを利用したのだが、基本設定は「スーペリアクラスホテル」。
「インドでのスーペリアクラスは期待できません」と担当者がはっきり忠告してくれたので、
デラックスホテルにアップブレードした。
デリーのメトロポリタンホテルは満足のいくホテルだったが、
バラナシのクラークスホテルは「これでデラックス?」というレベルだった。
一番上のタージ系ホテルまでアップグレードすればバラナシ随一の高級ホテルであるゲートウェイホテルに宿泊できたようだが、一人旅ならともかく×4となると費用がかさばる。
そこまで贅沢するよりはその分を買い物費用にまわすのが正解だろう。
余談終了。

今日はバラナシから北へ約10kmほど行ったところにあるサルナートを観光する。
仏教には四大聖地がある。
生誕の地であるルンビニ
悟りを開いたブッダガヤ
初説法を行ったサルナート
涅槃(入滅)所であるクシーナガラ
サルナートはブッダガヤで悟りを開いたブッダが、弟子がサルナートにいるという夢を見て、
歩いてそこまで移動し、初めての説法を行った初転法輪の地。
この地で説法を聞いた5人の僧侶が、世界各地に仏教を伝えたといわれている。

最初に訪れたのはムルガンダ・クティ寺院。
1931年に建てられた、スリランカの寺院だ。
入り口には日本から贈られた梵鐘があり、本堂奥には金色に輝く本尊。
壁には日本人画家野生司香雪(のうすこうせつ)によるフレスコ画ブッダの一生が描かれていた。
壁画を眺めていたらアルンさんがブッダの手の向きについて解説してくれた。
修行をしている時は膝の上で掌を上に向け左手の上に右手を重ねている
悟りを開いた時は右手が地面を指している
説法をする時は何かの印を組んでいるがこれは仏像や絵によっていろいろあるようだ
手の向きの違いを教えてもらったおかげで、仏像の手を見ただけでどのシーンを表しているのか分かるようになった。
おもしろい。
寺院の外には大きな菩提樹
この菩提樹ブッダが悟りを開いたブッダガヤの菩提樹を起源にもつのだそうな。
ちなみに菩提樹は三霊樹のひとつなので、アショカの木と沙羅の木とともにあちこちでよく見かける。
ブッダの母がルンビニで美しいアショカの花を摘もうとして手を伸ばした時、ブッダはその右脇から生まれたとされている。
ブッダが悟りを開いたのは菩提樹の下で、入滅したのは沙羅の木の下。
3つの木はブッダに深い関わりのある木なのだ。

寺院を出てダメーク・ストゥーパへ移動。
ストゥーパブッダの遺骨である仏舎利をおさめた仏塔。
遺骨は配分争いの末、8つの国に分け与えられたそうだが定かではない。
実際に仏舎利が納められているかどうかにかかわらず、ストゥーパブッダの象徴なので仏跡以外にも各地で建てられている。
日本ではその形を変え、「卒塔婆」や五重塔になったわけだ。
ダメーク・ストゥーパがある遺跡公園を散策中、ところどころに金箔が貼られている遺跡を見かけた。
なんだろう?と近寄って見ていたらアルンさんが解説してくれた。
タイでは寺院や仏像を金で飾る習慣があるので、タイから訪れた仏教徒がせっせと貼っていくのだそうな。
金箔が風にひらひらしているのを興味深そうに眺めていたみるくだが、暑さと直射日光に負けてへばり気味。
ダメーク・ストゥーパに近づくと、黄色やオレンジの旗のようなものがあちこちにくっついているのが見える。
アルンさんに聞いてみたところ、お金を布にくるんで重みをつけて投げたものがひっかかっているのだとのこと。
お金を上に投げて供えるのはスリランカの習慣なのだそうな。
「あんなに高いところにまで投げれるの?」といちごが驚く。
確かに、かなり高い場所にひっかかっているね。

ダメーク・ストゥーパくるりと一周し、お次は考古学博物館へ。
入ってすぐの場所には4頭の獅子の石柱。
これはインドのお札にものっている。
奥には発掘された仏像の中で「世界で一番美しい」とされる仏像が展示してある。
確かにそのお顔は慈愛に満ちていて優しく美しかった。
ここでサルナート観光は終了。
バラナシにもどって昼食をとり、夕方までホテルで休憩。

夜はガンジス河でアルティープージャー(礼拝)見学。
車では近くまでいけないので途中で降りて歩く。
歩く時の注意点はスリ、動物の糞、物乞い、物売り。
いちごは昨日「物乞いって話には聞いていたけど、初めて見た」と言っていた。
「本当に貧乏そうな人と、そうでもなさそうな人がいるね」といちごは言う。
その時いちごの視線の先にいたのは片足のない痩せ細ったおじいさんだった。
道にはお店や屋台がたちならんでおり、活気がある。
プージャーにあわせて夜遅くまで開いているのだそうな。
きらびやかなサリーやパンジャビもたくさん売っている。
こういうところで買ったら安く買えるんだろうなー。
アルンさんは「質が悪いから」というが、ツアーで連れて行かれるお店も質が悪い商品が山ほどあった。
質が悪いのは同じなら安い方がいいなあと思うものの、時間がないのでお店には寄れなかった。
屋台で売っている小物は子どものお土産にちょうどよさそうだが、いちごもみるくも今回はクラス替えだからお土産は買わないという。
それはそれでラクでよし。
席についてしばらく待っているうちにプージャーがはじまった。
3人の僧侶が6人に増えて、歌と演奏が大きくなっていく。
燭台に火が灯されると礼拝はクライマックス。
私たちから見て一番右の僧侶の燭台の火がつながってしまい、大火事のようになってしまったのが笑えた。
最後まで見てしまうと人混みで動けなくなってしまうので、少し早めに撤収。
暗闇をキャンドルで照らす礼拝はなかなかに幻想的であった。

本日の予定はこれにて終了。
ホテルに戻って夕食をとり、パパといちごは早々に就寝。
みるくが「プールで泳ぎたい」というので、つきあって見に行ってみたが20時までだったようで間に合わず。
私自身はインドのホテルで夜に泳いで楽しかった記憶がある。
みるくにもライトアップされたプールで泳がせてあげたかったんだけどな。
残念。