拾得物件預り書(いちご小4・みるく小2)

学校から帰ってきたいちごが手にもっていた黄色いものを私に渡した。
「ひろったの。警察に届けようと思ったんだけど、寄り道しちゃいけないからとりあえず帰ってきた。」という。
それはキイロイトリのキーホルダーだった。
ふふふ。かわいい。
「かわいいからもらっちゃおうかと思ったんだけど、やっぱり警察に届けなきゃね。」といちごは言う。
その通り。
落とし物を拾った時は、警察へ。
もし3か月たっても落とし主があらわれなければ拾った人のものになるんだよ。
そんなわけでいちごは警察までキーホルダーを届けに出かけた。
しばらくの後、警察から電話がかかってきた。
保護者にいろいろ確認しなければならないことがあるのだという。
まず所有権を取得する権利についての確認。
それから、所有者があらわれた場合はうちの住所や氏名を知らせることになるということ。
さらに、報労金を受ける権利についてなどなど。
労金を受ける権利は辞退したが、落とし主があらわれなかった場合はいちごがキーホルダーを受け取れるようにしておいた。
「5月23日までに連絡がなければ落とし主があらわれなかったということですから、遺失物センターにとりに行って下さい」と警察の方が言う。
どうやら落とし物は一ヶ月経過した時点で飯田橋にある警視庁遺失物センターに送られるらしい。
知らなかった。
飯田橋までの往復電車賃を考えると自分でキーホルダーを買う方が安いかも?
ま。何事も経験だ。
「くわしいことは拾得物件預り書をよく読んで下さい」とのこと。
言われた通り、いちごが持って帰ってきた拾得物件預り書をよく読んでみた。
初めて見る書類なのでなかなかおもしろかった。
落とし物ひとつとってもいろいろな決めごとがあるものなのね。