みるくがいるから大丈夫

朝、登園前にパパを駅まで送った。
いよいよイタリア旅行へ出発だ。
パパを見送ったあと、しばらくさみしくなるね、とつぶやいた私にみるくはこう言った。
「みるくがいるから大丈夫だよ」
お〜。
頼もしい。
かっこいいぞ、みるく。
そしてさらに「雑巾がけもするよ。掃除機がけもできるよ。」とみるくは言う。
お〜。
助かるわ。よろしくね。
と、軽い気持ちでお願いしておいたらみるくは幼稚園から帰るなり本当に掃除機がけをしてくれた。
しかも二階まで。
よく掃除機を持って二階にあがれたね。
すごい。
その間に私は夕食準備。
いやあ、助かるなあ。
うれしいなあ。
なんだか急にしっかりしてきたね、みるくくん。
なんて思っていたら。
お風呂あがりのこと。
私が洗面所でいちごの髪をドライヤーで乾かしていたらリビングから「ガゴン!」と大きな音が聞こえてきた。
一拍おいて「ギャー!」と悲痛な泣き声が。
どうしたどうしたと見に行ってみるとみるくがソファの横に立って大泣きしていた。
何があったの?どこかケガしたの?
しばらく大泣きしたあとでみるくは口を開けて見せた。
歯茎に流れる血。
え?なんで?
よく見ると下唇の内側から出血している。
ソファの背の上に寝ころぼうとして顔から落ちたという。
なるほど。歯がざっくりとあたって切れちゃったんだね。
病院へ行くほど深く切れているわけではないからよかった。
かわいそうだけど治るまで我慢するしかないね。よしよし。
やっぱりまだまだ「しっかり」にはほど遠いみるくであった。