ウブド行きの朝(いちご4歳8ヶ月・みるく2歳9ヶ月)

午前5時45分。いちごの泣き声で目が覚める。
トイレを我慢して泣いているのだ。
いちごはいつもこうだ。
泣いていないでトイレに行けばいいのに。なぜ行かないのだろうか。不思議でならない。
みるくは最近いつも寝起きにぐずる。
何が気に入らないのか「やだやだ」と着替えもトイレもなにもかもをいやがる。
まだ半分眠っている状態で日焼けどめクリームをぬってあげたらそれが気持ちよかったらしく目を閉じたまま満面の笑みをうかべてうれしそうに寝たふりをしていた。
おかげで今日の目覚めはスムースであった。
朝食へ行こうと部屋を出たら「あ。パンツが。ビリビリ〜。」と言いながらみるくがたちどまった。
どうやらオムツのテープがはずれたらしく中腰になってズボンの上からオムツをおさえている。
そのしぐさがとてもおもしろくてかわいかったので思わず笑ってしまった。
朝食はバイキングを2つのレストランで楽しめる。
今日はどちらのレストランに行こうかなと考えていたらいちごが「きのうのとこいく!」と言い出した。
昨日とは別のお店に行ってみない?と提案してみても「きのうのとこがいい!」の一点張り。
リクエスト通り昨日と同じレストランに入ったのだが席についたとたんいちごが「今日もここ?」とのたまう。
えええ?いちごがここにきたいって言ったじゃない。
よくよく話しを聞いてみるといちごが「きのうのとこ」と言ったのは夕食で行った野外劇場のことらしい。
「きのうの夜のとこがよかったの。ダンスがおもしろかったからまた見たかったの。」
「つめは怖かったけどお姉さんは怖くなかったの。きれいだったの。だからまた見たかったの。」とのこと。
なるほど。そういうことだったのね。
「明日は別のお店に行こうね」といちごが言う。
そうだね。そうしましょ。
(つづく)