ホワイトデー(いちご高1・みるく中2)

先月、バレンタインデーにみるくは4人からチョコをもらってきた。
お返しを何にするか悩んだが、ゴンチャロフがかわいいチョコを出していたのでそのミニ缶を用意することにした。
洋菓子や和菓子をチョコでそっくりにつくってあるシリーズだ。
カロン・いちごタルト・ショートケーキ・プラリネの4個のチョコが水色の丸い缶に入っている。
缶のデザインも素敵なので、女の子ならきっと喜んでくれるだろう。
「学校にもってっちゃいけないから、帰ってから届けに行くよ」とみるくは言っていたのだが、まさかの午後から大雨。
しかも家が分からない相手もいるという。
届けようがないではないか。
「うーん。しょうがないから明日学校もってくよ。」とみるく。
だったら今日持って行けばよかったのに。
まあ一日遅れでもよしとしましょう。
明日、忘れずに持っていきなさいね。
いちごは「なんかいろいろもらった。もらえると思ってなかったからびっくりした。」と言う。
見せて見せてと私が言うと「食べちゃった」と笑う。
えー。見たかったのにー。
「いくつかはまだあるよ。これとか。男子っておもしろいねえ。」といちごが見せてくれたのは市販のお菓子に名前の一部を書き足したもの。
たとえば源氏パイの氏を治に変えたもの。
「これはねー。げんじくんって子がくれたの。」といちごが言う。
商品名の名前を訂正したものは3種類あった。
それぞれくれた子の名前になっているのだという。
なるほど。おもしろいね。
おや?この立派な箱はなに?
「これももらった」といちごが見せてくれたのはカラフルなマカロンが3個入った小箱。
ピエール・エルメではないか。
高いよ、これ。
「へー。そうなんだー。確かにおいしい。」といちご。
ゴディバのチョコもらってる友達もいたよ」ともぐもぐしながらいちごが言う。
ピエール・エルメゴディバか。
おしゃれな男子もいるのねー。
いや。おしゃれなのはお母さんか。