おまつりと気配りみるく(いちご高1・みるく中2)

近所のお祭りに行きたいとみるくが言う。
「ともだちもくるらしいんだよね。電車で。」
ほう。わざわざ電車で?
「うん。わざわざ。」
それはそれは。ぜひ行ってらっしゃい。
軍資金を手に喜び勇んで出かけて行ったみるくは、お土産にチキンステーキなるものを買って帰ってきてくれた。
「おいしそうだったから買ってきたよー」
「最初ね。何も味つけてくれなかったからびっくりして。どうしたらいいのかと立ってたんだけど。
ふとみたら、ステーキソースみたいなのが置いてあるの。
でも、分からなかったから次のお客さんがくるのを待って。
そのお客さんがぬってたから僕もたっぷりぬってきた。」とみるくが説明してくれた。
お店の人に聞けばよかったのでは?
「忙しそうだったから悪いかなーと思って。一応気をつかったんだよ、ぼくなりに。」とみるくが言う。
気配りの人だねえ。
「次のお客さん見れば分かると思ったからそれでいいし。」とみるく。
うむ。それはかしこかったね。
みるくは普段から周りをよく見ていて、気をつかってくれる。
例えば私が両手に洗濯物を持って移動しようとすると、さっと立ってドアのところまで行き、開けてくれるのだ。
ドアあけてくれる?とお願いする前にドアが開くので驚くけれど、非常に助かるし嬉しい。
みるくは料理もよく手伝ってくれるのでありがたい。
お料理に関して戦力になるのは実はいちごよりもみるくの方である。
いちごはお菓子づくりには情熱を燃やすが、料理にはさほど関心がないようだ。
逆にみるくは料理に興味津々。
好きこそものの上手なれということだろうか。