みるくのこわい話(いちご12歳6ヶ月・みるく10歳6ヶ月)

インドから帰って5日。
突然みるくが「そういえばインドにいる時はこわくて言えなかったんだけど・・・」と暗い声で話しはじめた。
「ぼくね。人間の足が吊して売ってあるのを見たんだよ。」とみるくが声をひそめて言う。
はい?
「ガンジス河の近くのお店の先に人間の足が吊してあったの。
いくつも吊してあってね。
指がちゃんとついてて値札もついてた。」
真剣な顔でみるくは言う。
えーと・・・。
それは人間の足ではなくて何か別の動物の足だったのでは?
「だってちゃんと5本指があったんだよ。人間の足っぽかった。」
ちなみにそれが人間の足だとしたら用途はなんだと思うの?
「食べるんじゃないの?」とみるく。
いやいや。
インドに人肉を食べる習慣はないよ。
「じゃあ貧乏だから売るんじゃないの?ほら、あの・・・」
(ここでたぶん臓器移植について話そうとしたようだが、すぐに気づいたらしく)
「あ。だめか。くっつかないか。」とつぶやくみるく。
見た時すぐに聞いてくれれば確認して誤解をといてあげられたのに、どうしてすぐ言わなかったの?
「だからこわくて言えなかったんだって」とみるく。
なるほど。
それはこわかったね。
でも大丈夫。
見間違いだから。
しかしそれが何だったのかは私も気になる。
ああ。返す返すもその場で聞いてほしかった。気になるわー。