余震におびえるいちご(いちご小6・みるく小4)

震災以来、図書館で防災関係の本を借りまくり、かたっぱしから読んでいる。
似たような内容の本が多い中で、興味深かったのが
地震イツモノート」と「人は皆「自分だけは死なない」と思っている」の2冊。
地震イツモノートは阪神・淡路大震災の被災者167人にきいたキモチの防災マニュアル。
「人は皆「自分だけは死なない」と思っている」は防災心理学の本。
例えば火災報知器が鳴った時、一人でいる人はすぐに逃げるが大勢でいる場合は逃げるのが遅れるという。
それは「皆いるから大丈夫」という「集団同調性バイアス」という心理が働くからなのだそうな。
ほかにも専門家の言うことを鵜呑みにしてしまう「エキスパート・エラー」の危険性や「楽観的無防備」による心理的落とし穴など、なるほどと思う話ばかりで勉強になった。
夕食のいわしつみれ鍋を食べながら防災心理についていちごみるくにも分かりやすく説明していたら17時16分に大きめの余震がきた。
推定マグニチュードは7.0で福島県などでは震度6弱
東京での揺れは大きくはなかったが、比較的長めに揺れていたので怖かった。
その後も一時間にわたって数回揺れが続いた。
揺れた瞬間テレビのスイッチを入れてニュースを見ようとしたみるくに対し、いちごはテーブルの下にかくれてうなだれたまま。
みるくが友達と空手に出かけたあともいちごは夕食を中断したまま暗い表情でかたまっていた。
そして消え入るような声で「もうやだ〜」とつぶやき、ほろほろと泣き出してしまった。
不安と恐怖が限界を超えてしまったようだ。
よしよし。大丈夫だよ。
いざとなったら名古屋や愛媛に避難することもできるから。
「でも名古屋や愛媛にもプレートあるんでしょ?」と涙ながらにいちごが言う。
鋭いところをついてくるね。
大丈夫大丈夫、としばらくあやした後、とうふちゃんを渡す。
こういう時にはお気に入りのぬいぐるみと笑える番組だ。
とりあえず録画しておいた「天才!志村どうぶつ園」のスペシャルを見せる。
かわいい動物の赤ちゃんや相葉くんのコーナーを見ているうちに気持ちがほぐれたらしく、いちごに笑顔がもどった。
ほっ。
被災していなくても、震災のニュースや映像、くりかえしおこる余震が子供たちの心に深い傷をつくる場合がある。
なるべく子供たちには楽しい番組を見せて安心できるようにしてあげよう。